文豪が見た京都の美
「岩に突き当って砕けるか、捲き込まれて、見えぬ彼方に
どっと落ちて行くか、――舟はただまともに進む」――夏目漱石『虞美人草』
保津川下り
東京帝国大学をはじめ、複数の大学の講師として教鞭を振るっていた夏目漱石。教職を辞して朝日新聞社に入社し、職業作家として執筆した第一作目が『虞美人草(ぐびじんそう)』です。家督相続と策略による愛情のもつれを華麗な筆致で書き綴ったこの作品の主な舞台は京都。前半、物語の中核を担う男2人がともに乗り込んだのが、保津川を下る舟でした。漱石自身も乗船したことがあったため、その描写は非常に精細。文字を追えば自然に保津川の急流や、船頭の力強い仕事ぶりが浮かびます。

所在地:亀岡市保津町下中島2
アクセス:トロッコ「亀岡」駅より京都バスで約15分
電話番号:0771-22-5846
URL:http://www.hozugawakudari.jp/
営業日:月曜日〜日曜日 9:00から14:00まで1時間置きに運行、15:30最終出船(土・日曜、祝日は不定期運行)、12月中旬〜3月9日は冬期お座敷暖房船で出船
休業日:9月7日、12月1日〜12月初旬、12月29日〜1月4日、2月23日
料金:3900円
MAP  周辺のホテル首都圏発静岡発中部発
保津川下り
提供元:保津川遊船企業組合
狭い岩場を進む舟。急流をすべり落ちるように進んでいきます

保津川下り
提供元:保津川遊船企業組合
急流から一転、美しい景色が映り込む水鏡に出会えることも
「あのへんをお歩きやすなら、青蓮院のとこを、
ちょっとだけ通っていただけしまへんやろか」――川端康成『古都』
青蓮院門跡
川端康成が京都のしっとりとした情景美を折り込み綴った『古都』。京都・北山で生まれ、生き別れた双子姉妹の物語です。この作品の執筆中、康成は京都で暮らしており、作中には祇園祭、清水寺、豆腐の「森嘉」など、祭事、社寺、店と京都のさまざまなものが登場します。そして、捨て子だったところを拾われ育てられた双子の妹・千恵子の心情を示す重要な場面で登場するのが青蓮院門跡です。千恵子は門前の巨大な楠を見上げながら「よう見てると、こわいように思いまっせ、えらい力やおへんの?」と楠の持つ強い生命力へのあこがれを漏らします。

所在地:京都市東山区粟田口三条坊町
アクセス:地下鉄東西線「東山」駅より徒歩約5分
電話番号:075-561-2345
URL:http://www.shorenin.com/
拝観日:月曜日〜日曜日 9:00-17:00(16:30受付終了)
休日:不定休
拝観料:500円
MAP  周辺のホテル首都圏発静岡発中部発
青蓮院門跡
龍心池を中心にした池泉回遊式庭園が広がります

青蓮院門跡
おみくじの開祖が祀られている寺院でもあるので、 運試しにおみくじを引いてみてはいかがでしょうか
「沈默の人二人を乗せた高瀬舟は、黒い水の面をすべって行った」――森鴎外『高瀬舟』
高瀬川一之船入
江戸時代、京都と大阪の貨物輸送に大きく貢献するとともに、罪人を大阪に送る小舟が通る川であった高瀬川。この川を舞台にした小説に、安楽死という難しいテーマに斬り込んだ森鴎外の短編小説『高瀬舟』があります。物語は夕暮れ、弟殺しの罪を負った男の乗船から始まります。護送役の同心を相手に語る男の回想は、しみじみと悲しく、読む者の心を惹きつけます。次第に更けていく朧月夜の中、静かに水面を進む高瀬舟。穏やかな高瀬川の流れと、男の凪いだ心中が重なるラストの描写は晩年の鴎外の成熟した筆力を感じさせる一文です。

所在地:京都市中京区木屋町通二条下ル一之船入町
アクセス:地下鉄東西線「京都市役所前」駅より徒歩約5分
営業日:散策自由
MAP  周辺のホテル首都圏発静岡発中部発
高瀬川一之船入
木屋町二条の高瀬川には、貨物輸送に使用した高瀬舟を再現した木造舟が設置されています

高瀬川一之船入
現在は「高瀬川一之船入」として国の史跡に指定されています
「この一瞬の喜びこそ、昨年の春が暮れて以来一年に亘って待ち続けていたものなのである」――谷崎潤一郎『細雪』
平安神宮
大阪・船場の豪商・蒔岡家の四人姉妹の運命と生活を描いた谷崎潤一郎の代表作『細雪』。阪神と東京が主な舞台として登場する作品ですが、大の京都好きとして知られる谷崎だけあり、京都の美しい景色が作中に何度か登場します。中でも印象深いのが、平安神宮の神苑の紅しだれ桜の描写。「夕空にひろがっている紅の雲を仰ぎ見ると、皆が一様に「あー」と、感歎の声を放った」と、その感動的な美しさを表現しています。色の濃い、八重の紅しだれ桜が満開となり空を覆っている姿が眼に浮かぶような名文です。

所在地:京都市左京区岡崎西天王町
アクセス:市バス5系統「京都会館・美術館前」より徒歩約3分
電話番号:075-761-0221
URL:http://www.heianjingu.or.jp/
営業日:月曜日〜日曜日 社殿6:00-18:00、神苑8:30-17:30(3月1日〜3月14日・9月1日〜10月31日は17:00、11月1日〜2月末日は16:30)
休業日:無休
料金:境内無料、神苑600円
MAP  周辺のホテル首都圏発静岡発中部発
平安神宮
平安京正庁の朝堂院を、8分の5のスケールで再現した社殿

平安神宮
平安神宮のシンボルといえばこの大鳥居。24.4mもの高さを誇ります

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