プロジェクトストーリー

50+ 京都スペシャルツアー

2014年春に平成の大改修を終えて話題を集めた、京都の平等院。JR東海ツアーズでは、JR東海の旅クラブ「50+」の会員向けに、紅葉シーズンの平等院の夜間貸切特別拝観を、エスコートプランという行程が決まっていて添乗員が同行するパッケージ商品として展開。2日間という限られた日程での商品であったが、大好評を博すことができた。パッケージ商品ならではの便利さに加え、普段は足を踏み入れることのできない夜間の平等院の特別拝観というスペシャル感が高く評価され、大成功を収めることができた。

背景と企画

「これは特別感のある面白い商品になる!」。2014年春、その話を初めて耳にしたとき、国内旅行部の中村智子は直感的にそう思った。
京都の平等院が改修後初めて行う紅葉シーズンの夜間貸切特別拝観──。時間外に貸切でツアーの受入れを行うことは警備などの問題から施設側が敬遠することが多い。それが今回は平等院側から「やってみないか」と声がかかったのだという。平成の大改修を終えたばかりで話題性は高く、平等院としてもこの機に観光施設としてのバリューを上げたいと考えたのかもしれない。
JR東海ツアーズ側で平等院との交渉窓口を務めたのは京都に拠点を置く西日本分室(現西日本旅行企画室)。中村は、その西日本分室からの提案でツアーの実現に向けて商品の企画に取りかかることになった。
日程は紅葉シーズン真っ盛りの11月29日、30日。数ある紅葉ツアーとはひと味違うスペシャルツアーとして中村が設定したのは、日帰り1コース、宿泊2コースだった。
「ツアーを企画・造成するには当然のことながら京都に精通していることが必要です。ところが私は関西エリアの企画担当となってまだ5ヵ月。企画のノウハウに加えて京都に関する知識を修得すべく日々勉強中でしたので、自分の能力を超えた仕事に挑戦するという意気込みでした」
特に、50歳以上の旅行好きの方を対象とするJR東海の旅クラブ「50+」の会員は、旅慣れていて、京都にも精通している人が多い。その厳しい目にも応えられる行程づくりに、中村は頭を悩ませた。発売目標は8月上旬。春から夏にかけて、中村はこのプロジェクトを最優先に無我夢中で取り組んだ。

調整と周知

中村の前に立ちはだかったもう一つの大きな壁が、仕入の問題だった。
「秋の最繁忙期の土日ということで、宿泊施設はどこも一杯。ホテルの仕入には苦戦しました」
仕入とは、旅行商品を造るためにホテルの客室を提供してもらうことで、仕入担当者が各ホテルと交渉して行う。部屋数、料金について、ギリギリのシビアな交渉が続く。どうしても京都市内で全室分の在庫を確保できない状況となり、近隣の奈良・滋賀・大阪のホテルで補った。仕入担当者のそうした交渉をにらみながら、中村は限られたスケジュールの中で行程の調整とパンフレットの制作を進めていった。
「関西について知識も経験も浅い中、自分で判断して行程を決めていかなければならないことに、プレッシャーを超えた恐怖感のようなものさえありました。失敗した夢にうなされて夜中に飛び起きたこともあります。それだけにパンフレットという一つの形としてできあがったときは、大きな達成感と安堵感を味わいました」
8月上旬、各支店へ新商品の告知が行われ、その後、支店の担当者が集まる商品説明会で周知がなされた。そして各支店へパンフレットが送られ、いよいよ販売が始まったのである。
浜松支店の竹田千比呂もそのパンフレットを受け取り、支店のラックに並べて、お客様にお勧めすべく準備を行った。

実施と成果

「エスコートプランは、日程や行き先が決まっていないお客様、グループ旅行の幹事役のお客様には特に喜ばれます。今回も"悩んでいるお客様にはイチオシしよう"と支店内で情報を共有しました」(竹田)
浜松支店では店内での商品のプッシュに力を入れている。「私たちの仕事は夢を売る仕事だから、楽しい気持ちが膨らむようにしたい」(竹田)との考えから、ディスプレイやPOPなどもお客様の目を引くように工夫している。
実際に何度も京都旅行をされているお客様に今回の京都スペシャルツアーをご紹介した。
そのお客様は旅慣れていることもあって、今回はどこへ行こうか迷っているところであったが、平等院夜間貸切りの様な特別感のあるプランに大変興味を持たれ、お申し込みいただくことができた。
旅慣れたお客様からも、この様な旅行プランが求められていることを竹田は実感した。
こうした支店での取り組みも功を奏し、さらには「50+」会員向けのダイレクトメールやメルマガによる後押しもあって、平等院のスペシャルツアーは2日間で約1,200名のお申し込みをいただくことができた。
そして当日。通常のツアーは添乗員にすべてを任せるのだが、今回は夜間貸切拝観という特別企画ということもあって、中村たち関係社員も総出で現場に立ち会いツアーの成功に向け万全を期した。平等院内のルートの出口付近で案内役を務めた中村は当日の様子をこう振り返る。
「夜の平等院を訪れるのは私自身初めてでしたが、暗闇の中で鳳凰堂が段続的にライトアップされる姿は神秘的で圧倒されました。お客様もとても満足そうな様子で口々に"よかった"とおっしゃっていました」
当日のこうした対応には平等院側も大変に満足しており「次もJR東海ツアーズとタイアップできたら」と話している。今回のプロジェクトの成功をステップにその後、2015年春には桜の季節の夜間貸切特別拝観を行い、多くのお客様をご案内する。
「旅行商品の企画をしたい、というのがこの業界に飛び込んだ最大の動機でした。造成の仕事は一見華やかですが、実は様々な部門で働く人の努力と協力があって初めてできることです。このコラボレーションの大切さを、学生の皆さんにも知っていただきたいと思います」

中村 智子 Tomoko Nakamura

国内旅行部 旅行企画二課
2006年入社/英語英文科卒

いつかは好きな旅行業界で働きたいと考えていた。当社を選んだのは、若い会社なので責任ある仕事を早くから任せてもらえると思ったから。

竹田 千比呂 Chihiro Takeda

浜松支店 営業課
2012年入社/文学部人文社会学科卒

もともと列車を使った旅行が好きで、東海道新幹線の旅イコールJR東海ツアーズというイメージを持っていた。入社の決め手になったのは、支店を見学したときに感じた居心地のよさ。

実施と成果


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