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国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア


描かれた美しいロシアに魅了される
本展はロシア美術の殿堂・国立トレチャコフ美術館が所蔵する豊富なコレクションより、19世紀後半から20世紀初頭の激動のロシアを代表する作家、クラムスコイ、シーシキン、レヴィタン、ヴェレシャーギンらの作品72点を、自然や人物像に宿るロシア的なロマンに思いを馳せて紹介します。

白樺や樫の木の深い森、雪に覆われた大平原。街には独特の丸屋根の教会、透き通るような白い肌の女性たち—。

ロマンティックなロシアと言うときの背景のひとつとなるのが広大な大地です。日本のような狭い島国の住人にとって、
ロシアの圧倒的な広さは体験したことのない未知の世界でもあります。
たとえばシーシキンの《正午、モスクワ郊外》に描かれた地平線まで続く道は、そんなロシアならではの雄大なロマンを感じさせます。
雪景色にもまた北国のロマンがあふれています。バクシェーエフの《樹氷》は、真っ白な樹氷が青空に冴え、透き通った大気を感じさせる華やかな作品です。
またアイヴァゾフスキーらの描く海景画も、同様の大きな空間の広がりとして展覧会のアクセントとなっています。

樹氷
ワシーリー・バクシェーエフ 《樹氷》
1900 年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
正午、モスクワ郊外
イワン・シーシキン 《正午、モスクワ郊外》
1869 年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery


雨の樫林 日本の国土よりも広くどこまでも深い森もまた、私たちの知らない心惹かれる世界です。
雨傘をさして森の中を歩くカップルを描いたシーシキンの名作《雨の樫林》は、
映画のワンシーンを見ているようです。この画家には樫の木を単独で描いた作品もあり、
それは人物の肖像画のような風格を湛えています。
森は季節の移り変わりとともに様々な容貌を見せます。
そこには熊たちが棲む場所もあり、
本展にはそれを描いたシーシキンの大作《松林の朝》の油彩習作が出品され、
情景の雰囲気が伝わってきます。
イワン・シーシキン 《雨の樫林》
1891 年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery


自然だけでなく、ロシアの都会での暮らしにもさまざまな物語があります。
コローヴィンの描く《小舟にて》には、雑踏を逃れて二人の時間を過ごすカップルの様子が描かれていますが、
何が起きているか、つまり愛を語っているのか別れの瀬戸際なのかは想像するしかないものの、
緊張感溢れる画面からはドラマが展開していることが伝わってきます。
そして暮らしの舞台となる都市そのものにも目をやると、伝統的な建築で彩られた都市風景には、
グリツェンコの《イワン大帝の鐘楼からのモスクワの眺望》のように、
日本人にとって遠い異国の情景としての魅力に溢れるものが多数あることがわかります。

なお、本展には名作《忘れえぬ女(ひと)》の作者で、
モスクワで活躍した画家クラムスコイのレーピンによる肖像も出品されます。
イワン大帝の鐘楼からのモスクワの眺望
ニコライ・グリツェンコ 《イワン大帝の鐘楼からのモスクワの眺望》
1896 年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery


ワーリャ・ホダセーヴィチの肖像
ワシーリー・コマロフ 《ワーリャ・ホダセーヴィチの肖像》
1900 年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery   
子どもを描いた作品がロマンティックというカテゴリーに入るかどうかは
意見が分かれるところかもしれませんが、
子どもの世界に心の安らぎを覚え、特別な思いを寄せる人も多いのではないでしょうか。
本展にはそんな子どもたちの様子を身近な生活の中に描き出した秀作が充実しています。
可愛らしい子どもたちの絵の中で、
例えばコマロフの描く《ワーリャ・ホダセーヴィチの肖像》に登場する幼い少女の姿は、
子どもの世界にも奥深い内面的なものがあることを証明しています。
同様にヴィノグラードフの《家で》と題された作品では
少女が広い室内で独りたたずむ姿が描かれ、
何かの物語の始まりを予感させる重厚な作品となっています。
他にも、子どもたちが遊ぶ様子を描いた作品も何点か出品され、
童心に帰る児童文学コーナーさながらとなっています。



月明かりの夜
イワン・クラムスコイ 《月明かりの夜》 1880 年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
《忘れえぬ女(ひと)》の作者クラムスコイの作品《月明かりの夜》は、かつて夕方から夜にかけて戸外で演奏された夜想曲にたとえることができます。
この作品は夜想曲のように、見る者の心を高揚させ、思い出を甦らせ、夢想へと誘います。
白いドレスを纏った孤独な若い女性が、古い庭園で老樹の傍らのベンチに腰掛けています。
彼女の姿は、月夜の詩情、その静けさや神秘と調和し、一体化しています。
彼女は誰かを待っているのか、あるいはただ物思いや回想に耽っているのでしょうか—。彼女がこの問いに答えることは永遠にありません。
つまりこの作品のイメージを創造した画家にとって、また鑑賞者にとって、彼女は、人間の心の中にあり、時には自然界にも現れる語り尽くされないものとして、
空想、夢、詩の化身であり続けるからなのです。
作者のクラムスコイが本作の女性像を描くにあたって、最初にモデルとなったのは、
後に著名な科学者ドミトリー・メンデレーエフの妻となった芸術アカデミーの若い生徒アンナ・ポポーワでした。
しかし、作品が完成に近づいた時、絵の入手を決意したトレチャコフ美術館創設者の弟セルゲイ・トレチャコフは、
画家に、絵の中の女性に自分の妻の面影を与えてほしいと依頼したといいます。


国立トレチャコフ美術館
ロシア美術の殿堂、国立トレチャコフ美術館は12世紀の貴重なイコンに始まる約20万点の所蔵作品を誇っています。
この膨大なコレクションは、創設者パーヴェル・トレチャコフ(1832-1898)によって基礎が築かれました。
モスクワの商家に生まれたトレチャコフは紡績業で多額の財を築き、利益を社会に還元しようと数多くの慈善事業を行いました。
とりわけ生涯をかけて取り組んだのが「ロシアの芸術家によるロシア美術のための美術館」、
それもあらゆる人に開かれた公共美術館の設立だったのです。
鋭い審美眼の持ち主であったトレチャコフは、当時のアカデミーの潮流のみに囚われず
確固とした信念に基づき40年にわたってコレクションを充実させていきます。
なかでも彼は熱心に同時代の芸術家の作品を収集、レーピン、クラムスコイ、ペローフなどの芸術家との親交も厚く、彼らの支援にも努めました。
トレチャコフは1880年代から自宅の庭に建てたギャラリーでコレクションの一般公開を始め、
1892年には亡くなった弟が収集していたヨーロッパ絵画と併せてコレクションをモスクワ市に寄贈しました。
彼の死後、住居も展示室へと改装されて、ワスネツォフの設計による古代ロシア建築様式の豪奢なファサードが建てられ、
20世紀初頭には現在のような姿になりました。
ロシア革命後、国に移管されたトレチャコフ美術館は、その後も美術品の収集を続け、
質、量ともに第一級のロシア美術コレクションを世界に誇っています。


開催概要

名称 国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア
会期 2018年11月23日(金・祝)〜2019年1月27日(日)
会場 Bunkamura ザ・ミュージアム
 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F
◆「渋谷」駅…JR 山手線 ハチ公口より徒歩7分
…東京メトロ 銀座線 / 京王 井の頭線より徒歩7分
…東急 東横線 / 東急 田園都市線 / 東京メトロ 半蔵門線・副都心線 3a出口より徒歩5分
◆「神泉」駅…京王 井の頭線 北口より徒歩7分
開館時間 10:00〜18:00(入館は17:30までとなります)
毎週金・土曜日は21:00まで開館します(入館は20:30まで)
入館料
一般   1,500円
大学・高校生 1,000円
中学・小学生 700円
お問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
休館日 2018年11月27日(火)、12月18日(火)、2019年1月1日(火・祝)
公式URL http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_russia/(外部サイトへリンク)
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掲載日:2018/11/27



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